n8n(エヌエイトエヌ)は、アプリとアプリをつないで業務を自動化するワークフローツールです。ノーコードで組めるのに、途中にコードやAIエージェントを挟める自由度の高さで、海外の開発者・自動化コミュニティでは定番になりつつあります。一方で日本語UIはなく、日本語の入門情報もまだ少ない。このページでは「最初の1本が動くまで」を日本語で通します。
始め方は2ルート。最初はクラウド版で
n8nには2つの使い方があります。
- n8n Cloud(公式クラウド版) — アカウント登録だけで使える。€24/月〜、無料トライアルあり
- セルフホスト — 自分のサーバーやPCにインストール。ソフト自体は無料で実行数無制限
検索すると「セルフホストなら無料」という情報が目立ちますが、最初の1本はクラウド版をすすめます。セルフホストはサーバーの用意・アップデート・バックアップ・止まったときの復旧まで全部が自分の仕事になります。自動化は止まったら意味がないので、その責任を負うのはn8nの操作に慣れてからで十分です。トライアル期間だけでも「自分の業務に合うか」の判断はできます。
最初のワークフローが動くまで
n8nのワークフローは「トリガー(きっかけ)→ノード(処理)」を線でつなぐ構造です。画面は英語ですが、操作は次の5ステップで共通です。
- サインアップ — n8n公式サイトからn8n Cloudに登録し、ワークスペースを作る
- 新規ワークフロー作成 — 「Add workflow」で空のキャンバスを開く
- トリガーを置く — 最初のノードとして「きっかけ」を選ぶ。定番は Schedule(毎朝9時など)、Webhook(外部からの通知)、アプリのトリガー(メール受信など)
- 処理ノードをつなぐ — トリガーの右に、やりたい処理のノードを追加して線でつなぐ。各ノードは「Execute step」で単体テストしながら進めると、どこで詰まったかがすぐ分かる
- 有効化 — 右上のスイッチをActiveにすると、以後は自動で動き続ける
練習にちょうどいい1本目
「海外ブログのRSSを毎朝チェックして、新着があればSlack(またはDiscord)に流す」がおすすめです。理由は、トリガー(Schedule)・データ取得(RSS Read)・条件(IF: 新着があるか)・出力(Slack)という基本4要素が全部入りで、かつ失敗しても業務に影響がないこと。これが動けば、あとはノードを差し替えるだけで応用が利きます。
つまずきやすいポイント
- 英語の専門用語: ノード設定の「Credential」は「アプリへの接続情報(ログイン許可)」のこと。最初にアプリごとに1回設定すれば使い回せます
- データの形: n8nはノード間をJSONでデータが流れます。前のノードの出力を次のノードで使うときは、入力欄にドラッグで変数を挿入できるので、手書きしないのがコツ
- エラーで止まる: 各ノードの実行結果は履歴(Executions)に残ります。赤くなったノードを開くとエラー内容が見えるので、そこだけ直せば大丈夫
セルフホストに移る判断基準
次のどれかに当てはまったら、セルフホストを検討する価値があります。
- 実行数が増えてクラウド版の上限・料金が見合わなくなった
- 社内データを外部クラウドに通せない事情がある
- Docker等のサーバー運用に既に慣れている
逆に言えば、当てはまらないうちはクラウド版のままが総コストで安いことが多いです(サーバー代+自分の保守時間も立派なコストです)。
料金の考え方
n8nの課金は「ワークフロー実行回数」ベースで、ノード数では課金されません。1回の実行の中でノードが何十個動いても1実行。このため「複雑なワークフローを少ない回数動かす」使い方だと、タスク単位で課金される他ツールより割安になりやすい、という特徴があります。
3ツールの比較は n8n vs Make vs Zapier 徹底比較 にまとめています。n8nの新機能・活用テクは週刊レターで毎週追いかけています。