砂漠の星には、生き物が住めない?「水の量」の新常識

映画やSFに出てくる砂漠の惑星、かっこいいですよね。でも最新の研究によると、そういった星には生命が存在できない可能性が高いことがわかってきました。しかも、その理由が「水が少なすぎるから」というシンプルなものなんです。


そもそも、なぜ「水の量」が問題になるの?

まず少し前提の話をさせてください。

科学者たちはずっと、宇宙のどこかに生命が住める惑星を探し続けています。その条件のひとつが、「液体の水が表面にあること」。水は生き物の体を作る材料であり、あらゆる化学反応の舞台でもあるからです。

これまでの研究では、「少しでも水があれば生命は生きていけるかもしれない」という比較的楽観的な見方もありました。砂漠の星でも、わずかな水があれば可能性はゼロじゃない、と。

でも今回、アメリカのワシントン大学の研究チームが、その常識をひっくり返す発見をしたんです。


発見:水が少ないと、星が「砂漠化」してしまう

研究チームが明らかにしたのは、「水の量が少ないと、惑星の表面から水がどんどん消えていってしまう」という現象です。

ここで大切なのが、地球で起きている「水の循環」という仕組みです。

イメージしてみてください。地球では、海の水が蒸発して雲になり、雨として降り、川や地下水になって、また海に戻ります。これがぐるぐる回り続けることで、水は地球の表面に留まり続けているんです。

ところが、この循環にはもうひとつ、見えにくい「深い部分」があります。

実は地球では、海底のプレート(地面を構成する巨大な岩の板)が地球の内部に沈み込むとき、水も一緒に引きずり込まれています。そしてその水は、火山活動などによって再び地表に戻ってきます。

つまり、「海→地球の内部→火山→海」という、とてつもなくゆっくりとした循環も起きているんです。これを「地球規模の水の循環」と呼びましょう。

問題は、この循環がうまく機能するためには、ある程度まとまった量の水が必要だということ。水が少なすぎると、この循環がうまく回らなくなってしまうんです。

研究チームの計算によると、地球サイズの惑星がこの循環を維持するためには、**地球の海にある水の量の、少なくとも20〜50%**が必要だということがわかりました。

言い換えると、地球の海の半分よりも少ない水しかない星では、やがて表面から水が消えてしまう可能性が高い、ということです。

砂漠の惑星は、水の量が足りないせいで「水が消え続ける星」になってしまうんです。


この発見が意味すること:「生命の候補」がぐっと絞られる

この発見は、宇宙における生命探しに大きな影響を与えます。

これまで科学者たちは、「とりあえず岩石でできた星があって、ちょうどよい温度(水が凍らず蒸発もしない距離)にあれば候補になる」と考えてきました。

でも今回の研究が示すのは、「水の量も合格ラインをクリアしていないといけない」ということ。ハードルがひとつ増えたわけです。

SFで人気の砂漠惑星は、映像的にはクールでも、科学的には「生命には厳しすぎる環境」なんですね。

逆に言えば、「たっぷりの水をたたえた、青い惑星」こそが生命の揺りかごになれる、ということでもあります。地球がいかに奇跡的な存在かを、改めて感じさせてくれる研究ですよね。


これからの宇宙探索:「水の量」を見極めろ

今後の宇宙望遠鏡の技術が進めば、遠くの惑星に水がどのくらいあるかを推測できるようになってきます。

今回の研究成果は、そのときに「どの惑星を重点的に調べるべきか」を判断する、重要な基準になりえます。水が豊富な惑星を優先して探せばいい、というわけです。

それでも謎はまだたくさん残っています。たとえば、「最低限必要な水の量」は惑星の大きさや、その星の太陽からの距離によっても変わるはずです。また、「水の循環」以外にも、生命に必要な条件はいくつもあります。

宇宙に生命はいるのか。もしいるとしたら、どんな星に住んでいるのか。

その答えを見つける旅は、まだまだ始まったばかりです。あなたが生きているうちに、答えが出るかもしれません。そう考えると、ちょっとワクワクしませんか?